松ぼっくりフォーラム

第1回(1) 平野昭一氏講演

湘南学園同窓会 松ぼっくりフォーラム 第1回講演 2009年3月14日(土)

講演者
湘南学園、昭和24年小学校入学  平野昭一氏
早稲田大学から現キャタピラージャパンへ、2007年より取締役社長。

“100年に1度の世界的同時不況、今”

ます。
本日は、本来なら学園後輩の中・高生の将来日本を背負って立つ若い人たちにお話したかったが、今日お集まり皆さんから出来れば多少なりでもお伝えていただきたい。それでは、映像を見ていただきながら建機をベースにしての製造業ということでお話をしていきます。

全産業の20%、第2次産業、製造業に建機は入りますが、60兆円。その中の1位は自動車、一般機械30兆円に入る建機はその11%、3兆円規模。2007年のデータで、日本のGDPが約520兆円、世界のGDPの1/10。米国は日本の3倍で1位、2位が日本、やがて3位は中国。建機におけるキャタピラー社(親会社)の売上は世界で1位の5兆円(建機3兆円)。コマツが約2兆3,4兆円、日立と続き新キャタピラー三菱(子会社、現在のジャパン)4千3百億円となっている。
そして子会社では全体の50%を製造しており、建機製造では世界をリードしており、日本の主たる産業の1つになっています。わが国のGDPの規模において伸ばしてきた民間住宅、公共投資、これが減少へ。輸出から輸入を引いた事実が景気を伸ばしてきた、逆にわが国の弱点でもあります。

一方、建機はデータから見てのとおりGDPの伸びとリンクしています。GDPから見ますと、2005年世界の人口は65億人、2050年には90億人を超える。過去のデータからも実証されており、人口の伸びはGDPの伸びに比例しています。予測では2015年には、GDPは、日本除き、米国、欧州、そして日本並になる中国等各国は伸びていきます。建機は、成長産業の1つになっていると思います。GDPは加速度的に伸び、建設機械の需要は増していく。現在の世界情勢はグローバル・リセッション、ぎりぎり。今回の特徴を挙げると①地域の同時性②産業の同時性③過激性、急激性。そして日本は円高、製造業は大きな痛手を。OECDはマイナス、BRICsも落ちてきた。しかし、わが国の製造業は何とかやっている。米国人の友人が、トヨタ(全ての策を実践している)でさえ赤字では米国は当然。キャタピラー社も12万人から2万人を削減する。コマツさんも工場を1週に2日稼動、4月も、日本の企業は在庫調整に入っている。バブルの教訓が生きている。

つぎに建設機械について詳しくお話します。米国でブルドーザが誕生したとき、そのネーミングの由来は、以前は、牛が機械を引いていました。キャタピラーがブルドーザを開発したため、牛は暇になり居眠りをはじめたという意味。では、建機はどんなところで使われているか。港湾、道路工事、解体現場、雪国の除雪、ダム建設、噴火現場(長崎普賢岳)、地雷除去(カンボジア他)等。つぎにどんな造り方をしているか。弊社は相模原工場で小型ブルドーザ、明石工場で油圧シャベルを中心に製造。どのように製造しているかを、お客様向けのPRビデオでご覧下さい。

<相模原工場の紹介>
ご覧頂いたとおり、現場は3Kでなく、綺麗で安全。環境面では1990年来、相模原を例に取れば、排ガス規制による対策で当時を100とすれば40ちょっとまで国内規制をクリアしています。世の中に出している製品に対し排ガス規制が第三次規制55%、第一次規制の半分になっており、2014年までに、第四次規制により日本、米国、欧州は1/10に厳しい規制です。ブルも自動車と同様にハイブリット対策済みです。

日本における建機現場はよく置かれたままの姿が印象的かと思います。ATMをぶっ壊す事件などありましたが、都内など条例による騒音規制等があり、動いているのを見ることが少ない。実際に今、フルに稼動している現場を紹介します。
岩手県の胆沢ダム。
治水ダムということで住民にも期待されて、喜ばれている現場です。
日本最大級のロックフィルダ(原石利用)でフル回転する建機をVTRでご覧下さい。

<胆沢ダム工事現場>
最後にまとめとして、建機は日本を代表する、世界においてもリーデイング産業。そして、日本に於いて炭酸ガスの削減、環境を守りながら持続する産業であり、弊社は達成感あふれる製造業、産業です。若い人たちに是非分かってほしい。キャタピラージャパンを覚えていてほしいです。

(キャタピラージャパン取締役社長 平野昭一氏 講演内容記録)

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